
咳喘息
咳喘息
咳喘息(せきぜんそく)は、気管支の慢性的な炎症により、長引く咳が主な症状となる喘息の一種です。一般的な気管支喘息とは異なり、ゼーゼー・ヒューヒューといった喘鳴(ぜんめい)や強い息苦しさはほとんどありません。しかし、咳が長期間続くため、日常生活に大きな影響を与えることがあります。
咳喘息の特徴は、以下のような症状がみられることです。
• 3週間以上続く咳(特に夜間や早朝に悪化)
• 運動後や冷たい空気を吸い込んだときに咳が出やすい
• 風邪をひいた後、咳だけが長引く
• 笑ったり会話したりすると咳が出やすい
• 喘鳴(ゼーゼー・ヒューヒュー音)がない
適切な治療を行わないと、約3割の方が気管支喘息に移行すると言われています。早期に診断・治療を行うことが大切です。
咳喘息は、風邪や他の病気による咳と区別することが重要です。そのため、以下のような方法で診断を行います。
• 問診:咳の持続期間、悪化するタイミング、その他の症状を詳しく伺います。
• 呼吸機能検査:気管支の過敏性を評価するため、呼吸機能を測定します。
• 気管支拡張薬の効果確認:気管支拡張薬(β2刺激薬)を使用し、症状が改善するかどうかを確認します。
• アレルギー検査:咳喘息の原因となるアレルゲン(ダニ・花粉・ハウスダストなど)があるかを調べます。
咳喘息は、通常の風邪や感染症とは異なり、長期間にわたる咳が特徴です。「風邪が治ったのに咳だけが続く」「夜中に咳で目が覚める」といった症状がある方は、早めにご相談ください。
咳喘息の治療は、気管支の炎症を抑え、咳の症状を軽減することが目的です。
• 吸入ステロイド(ICS):咳喘息の第一選択治療です。気管支の炎症を鎮め、症状の改善を図ります。
• 気管支拡張薬(β2刺激薬):発作性の咳を和らげるために使用します。
• 抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬:アレルギーが関与している場合に使用することがあります。
治療のポイントは、咳が治まってもすぐに薬をやめず、一定期間継続することです。治療を途中でやめると、再発することがあるため、医師の指示に従って治療を続けることが大切です。
咳喘息は、風邪や他の咳の病気と間違えられやすいため、自己判断で市販薬を使用しても改善しないことが多いです。また、次のような点にも注意が必要です。
• 咳だけが続くため、「喘息ではない」と思ってしまう
• 風邪後の咳だと思い放置してしまう
• 適切な治療を受けずに悪化し、気管支喘息に移行する
• 吸入薬を正しく使わないと、十分な治療効果が得られない
当院では、医師やスタッフが吸入指導にも力を入れており、正しい吸入方法を丁寧にお伝えしています。吸入のタイミングや方法を守ることで、治療効果を最大限に引き出すことができます。
咳喘息は、気管支喘息と似た特徴を持ちながらも、いくつかの違いがあります。
咳喘息 |
気管支喘息 |
|
主な症状 |
長引く咳 |
咳、息苦しさ、喘鳴 |
喘鳴(ゼーゼー・ヒューヒュー音) |
なし |
あり |
気管支の炎症 |
あり |
あり |
治療方法 |
吸入ステロイド、気管支拡張薬 |
吸入ステロイド、気管支拡張薬、その他 |
放置すると… |
気管支喘息に移行することがある |
発作が悪化するリスクあり |
咳喘息は、気管支喘息と同じく気管支の炎症が関与する病気ですが、初期の段階で適切に治療を行えば、完全に治る可能性が高い病気です。そのため、症状が続く場合は、早めに診察を受けることをおすすめします。
「咳が長引いて困っている」「風邪の後、咳だけが治らない」「夜中に咳が出て眠れない」といった症状がある方は、咳喘息の可能性があります。咳喘息は、適切な治療で症状をコントロールできる病気です。気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。
当院では、患者さん一人ひとりの状態に合わせた治療を提案し、快適な生活をサポートいたします。
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