
慢性閉塞性肺疾患(COPD)
慢性閉塞性肺疾患(COPD)
COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、タバコの煙や大気汚染などによって肺に慢性的な炎症が起こり、気道が狭くなったり、肺の働きが低下したりする病気です。主な症状は長引く咳、痰、息切れで、進行すると日常生活に支障をきたすこともあります。特に喫煙歴のある方は注意が必要です。
COPDの診断には、**肺機能検査(スパイロメトリー)**を行い、空気の流れがどの程度制限されているかを確認します。
COPDとよく似た病気に「気管支喘息」がありますが、それぞれの違いは以下の通りです。
✔ 喘息:アレルギーが関与し、発作的に息苦しくなるが、薬で症状が改善しやすい
✔ COPD:タバコや長年の刺激が原因で、息切れが徐々に進行し、完全には元に戻らない
また、COPDと喘息を合併しているケースもあり、正確な診断が大切です。気になる症状がある方は、早めの受診をおすすめします。
COPDの治療の基本は、禁煙、薬物療法、リハビリテーションです。
• 禁煙:気道炎症のおおもとの原因を除き、進行を防ぐために最も重要です。
• 薬物療法:吸入薬(気管支を広げる薬)を使用し、気道を広げるとともに痰を減らす効果も期待でき、呼吸を楽にします。
• リハビリテーション:適度な運動や呼吸法の指導を行い、日常生活を快適にすることを目指します。
COPDは進行性の病気であり、適切な治療を継続しなければ症状が悪化する可能性があります。最終的に在宅酸素療法(HOT)が必要になることもあるため、定期的な管理と治療の継続が非常に重要です。
COPDは「少し息切れするだけ」と軽視されがちですが、進行すると肺炎や心不全のリスクが高まることが知られています。また、風邪をひくと症状が急激に悪化し、入院が必要になることもあります。
✔ 定期的な受診を心がける
症状の変化を見逃さず、早期の対処が重要です。合併症の早期発見にもつながります。特に息切れの悪化や咳・痰の変化があれば、すぐに医師に相談しましょう。
✔ 風邪やインフルエンザの予防を行う
風邪や肺炎が症状悪化の引き金になります。インフルエンザや肺炎球菌ワクチン接種や手洗い・マスクの着用で予防を徹底しましょう。
✔ 息切れを感じたら、早めに相談する
坂道や階段昇降時に息切れがする、同世代の方と同じペースで歩くと息が上がってしまう、など日常生活の中で症状が現れたら要注意です。早めの相談で、病状の悪化を防ぎましょう。
これらを意識することで、より快適な生活を送ることができます。気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
COPDは、適切な治療と管理により症状をコントロールできる病気です。喫煙していたことがあり、息切れや日常的な咳や痰の症状が取れないなと思われたら、ぜひ当院までお気軽にご相談ください。患者さん一人ひとりに最適な治療を一緒に考えていきます。
風邪症状で受診希望の方へ
発熱、せき、のどの痛み、倦怠感など、
風邪症状で受診を希望される方は、
コロナ抗原検査を行った上で
電話045-333-5070でご相談ください。
直接ご来院の場合は、当日の診療を
お断りする場合があります。