
睡眠時無呼吸症候群(SAS)
睡眠時無呼吸症候群(SAS)
睡眠時無呼吸症候群(SAS: Sleep Apnea Syndrome)は、睡眠中に呼吸が何度も止まる、または浅くなる病気です。主な原因は、のどの奥(上気道)が狭くなることによる「閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)」で、日本人に多いタイプです。 SASになると、睡眠が分断されて熟睡できず、日中の強い眠気や集中力の低下が起こることがあります。また、放置すると高血圧や心疾患、脳卒中のリスクが高まるため、適切な診断と治療が重要です。
※中枢性睡眠時無呼吸(CSA: Central Sleep Apnea) 脳からの呼吸指令が一時的に出なくなることで起こる無呼吸です。心不全や脳の疾患と関連することがあり、OSAとは異なる治療が必要になる場合があります。
▶ SASの発症リスク SASの発症リスクには以下のような要因があります。
当クリニックでは、まずご自宅でできる簡易検査を実施しています。簡易検査でSASが疑われる場合には、精密検査のために近隣の基幹病院へご紹介いたします。
▶ 簡易検査(スクリーニング検査) 指先や鼻にセンサーをつけて、一晩の呼吸状態を測定します。無呼吸の回数や酸素の低下を記録し、SASの可能性を評価します。手軽に受けられるため、最初の診断ステップとして適しています。
▶ 精密検査(終夜睡眠ポリグラフ検査:PSG) 入院での検査になります。簡易検査でSASが疑われた場合、より詳細な診断が必要になります。精密検査では、脳波や筋電図、心電図などを測定し、睡眠の質や無呼吸の種類を詳しく調べます。実施に際しては、必要に応じて基幹病院へご紹介いたします。
▶ 簡易検査後の流れ
SASの治療法は、症状の程度や原因によって異なりますが、主に以下の方法があります。
▶ CPAP(シーパップ)療法 OSAの治療として最も一般的な方法です。専用のマスクを装着し、空気を送り込むことで気道の閉塞を防ぎます。CPAPを使用すると、夜間の無呼吸が改善し、日中の眠気が軽減されるだけでなく、高血圧や心血管疾患のリスクも下がります。
▶ 生活習慣の改善 軽症の場合、体重管理や寝る姿勢の工夫、禁酒などが症状の改善につながることがあります。特に肥満が関係している場合、減量が重要です。
▶ マウスピース治療 軽症〜中等症のOSAの方には、歯科で作成するマウスピース(スリープスプリント)を使用する方法もあります。下あごを前に出すことで気道を広げ、無呼吸を防ぎます。
※CSAの場合、治療方法が異なることがあるため、専門医の診察が必要となります。
SASは「いびきがうるさいだけ」と軽視されがちですが、以下の点に注意が必要です。
✅ 「自分は大丈夫」と思い込まない 無呼吸の自覚がなくても、家族に「いびきが大きい」「寝ている間に息が止まっている」と指摘されたことがある方は、検査をおすすめします。
✅ 自己チェックポイント 以下の症状に当てはまる方は、SASの可能性があります。
✅ 高血圧・糖尿病との関係 SASは生活習慣病とも深く関わっており、放置すると高血圧や糖尿病、動脈硬化を悪化させることがあります。すでにこれらの病気がある方は特に注意が必要です。
✅ 運転中の眠気事故のリスク 日中の眠気が強くなると、運転中に突然眠ってしまう「居眠り運転」のリスクが高まります。特に職業ドライバーの方や長距離運転をする方は、早めの対策が重要です。
「いびきを指摘された」「日中の眠気が気になる」「寝ても疲れが取れない」などの症状がある方は、一度ご相談ください。当クリニックでは、簡易検査による診断を行い、必要に応じて精密検査・治療が可能な基幹病院へご紹介いたします。
早めの対応で、ぐっすり眠れる快適な毎日を取り戻しましょう!
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