
呼吸器内科
呼吸器内科
細菌やウイルスに感染して肺に炎症を起こす病気です。日本人の病気による死亡数でがん、心疾患に次いで第3位です。肺炎で最も多いのが肺炎球菌によるもので、インフルエンザの合併症としてもよく見られます。
発熱やせき、痰(たん)、胸の痛み、息切れなどのほか、疲れやすかったり、発汗、腹痛、吐き気などが出たりします。重症の場合は呼吸困難を伴います。ただ、高齢者の場合、初期には症状を自覚しないこともあります。
治療は病原微生物を調べたうえで、抗菌薬を用いますが、日ごろからバランスの良い栄養摂取に務めるとともに、適度な運動、タバコを吸っている人は禁煙を心がけるようにしてください。インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンの接種も予防に効果的です。
慢性閉塞性肺疾患といい、かつて慢性気管支炎、肺気胸と呼ばれていた病気の総称です。有害物質に長期間さらされて起きる気管支や肺の炎症疾患で、原因の8割は喫煙とされます。
中高年に多く、40歳以上では罹患者が8.6%と推計されています。気管支では炎症が起きて細くなり、肺ではブドウの房状の肺胞が潰れ、酸素の取り込みや二酸化炭素の排出量が少なくなります。このため、息切れがしやすく、せきや痰(たん)が出ます。
治療の基本は禁煙で、呼吸訓練や栄養療法、運動療法を併用することもあります。薬物療法の中心は気管支拡張薬で、重症の場合は吸入ステロイド薬も用います。
鼻からのどの奥までの上気道が狭くなって、睡眠中に無呼吸を繰り返す病気で、さまざまな合併症を起こします。女性より男性がやや多く、男性では40~50代、女性では閉経後に増えます。
上気道が狭くなる最も多い原因は肥満ですが、肥満でなくても、扁桃腺肥大や鼻中隔湾曲で鼻の中の空気の通りが悪いことや、あごが後退していたり小さかったりするのも原因になります。
いびきや夜間の頻尿、日中の眠気、起床時の頭痛などの症状が出、高血圧や心筋梗塞、脳卒中を起こすリスクが3~4倍に高まるとされます。
治療ではCPAP(シーパップ)が効果的です。睡眠中にマスクを装着して空気を送り込み、その空気圧で気道を広げる装置です。下あごを前方に移動させるマウスピースもあります。いずれも根本治療ではありませんので、生活習慣を見直し肥満解消を図る必要があるでしょう。
タバコはがんや心疾患をはじめさまざまな病気の原因になったり罹患リスクを高めたりすることが分かっています。しかし、喫煙者の多くはタバコに含まれるニコチンへの依存状態になっているため、個人の意思で禁煙するのは難しいのが実情です。そこで、通院して医師の指導の下、禁煙に取り組むのが禁煙外来です。
禁煙外来は2006年に一定の条件に当てはまれば健康保険が適用されるようになり、設置する病院が増えています。
治療には禁煙補助薬が使われ、内服薬と貼付薬があります。禁煙補助薬は禁煙に伴うイライラなどを抑える効果があります。禁煙外来では医師の指導で喫煙量に合わせた治療が段階的に行われるため、市販薬を使って個人で行うよりも持続し、禁煙を達成する確率が高くなっています。
アレルギー性疾患の一つで、植物の花粉が鼻や目の粘膜を刺激してくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみを引き起こします。日本で多いのはスギ花粉症ですが、ヒノキやブタクサ、マツなどに加えてイネ科の植物の花粉なども原因となります。
花粉症患者は近年増加傾向にあります。戦後全国に植林されたスギが成長して大量の花粉を飛散するようになったことに加え、排気ガスや大陸からのPM2.5などによる大気汚染、衛生環境がよくなって免疫が十分につくられず、少しの刺激で反応が出てくるようになったことなどが、原因として指摘されています。
花粉症発症を防ぐためには、花粉の飛散が多い時は外出を控え、洗濯物を室内干しにする、帰宅時に服や髪の毛に付着した花粉を落とす、ハウスダストやダニを排除するなど室内環境をきれいにすることなどが効果的です。
薬物治療では、抗ヒスタミン薬やステロイド薬などの投与のほか、スギ花粉症に対する舌下免疫療法が注目されています。スギ花粉を原料としたエキスを含む錠剤を舌の下に含み、体をスギ花粉に慣らすことで発症を抑えるものです。効果が出るまでに時間がかかりますから、翌年のスギ花粉シーズンに向けての対策と心得ておくといいでしょう。
症状の程度に応じてアドレナリンやヒスタミンH1受容体拮抗薬(抗ヒスタミン薬)や副腎皮質ステロイド薬などが用いられます。
アレルギーでは、原因となる物質を特定し、日常生活においてそれらを避けるような努力が必要です。
人体には細菌やウイルスといった外敵が体内に入り込んだ際、それら外敵から体を守るために免疫という機能が備わっています。
ところが、そのために働くはずの免疫機能が、何でもないアレルゲン物質を外敵と勘違いして起きるのが一般的に言われているアレルギー反応です。
つまり、この免疫機能の勘違いを正す治療方法がアレルゲン免疫療法なのです。治療の原理として、免疫機能が外敵と判断しないくらいに微量のアレルゲン物質を体内に取り入れていきます。
それを少しずつ増して、徐々に慣らすように取り入れることによってアレルギーの発生をおさえます。
※この治療は、指定認可を受けた医師のみ実施できます。当院院長は指定認可医師です。
ダニ(ハウスダスト)アレルギーの治療法の一つに、アレルゲン免疫療法があります。
アレルゲン免疫療法は、以前は皮下に注射する皮下免疫療法しかありませんでしたが、近年、舌の下に治療薬を滴下する「舌下免疫療法」が登場しました。
ダニを含むエキス(治療薬)の量を少量から始めて徐々に増やし、繰り返し服用することによって体を慣らしていくことでアレルギー反応を起こさないように仕向けていき、ダニアレルギーを治癒に導く治療法です。
当院では、ダニアレルギーの舌下免疫療法を行っておりますので、治療をご希望の方は、ご相談ください。
風邪症状で受診希望の方へ
発熱、せき、のどの痛み、倦怠感など、
風邪症状で受診を希望される方は、
コロナ抗原検査を行った上で
電話045-333-5070でご相談ください。
直接ご来院の場合は、当日の診療を
お断りする場合があります。